2012年8月18日土曜日

Doobie42 なにこれ?その2

C.F.Martin というギターメーカー、ちょっとここらで振り返ってみる、アメリカのギターメーカー、いわゆるスティール弦を張ったギターの老舗中の老舗だ、

アメリカ生まれだがとても緻密で計算されている、装飾などもアメリカと言う感じではない、というのもマーチン1世はドイツ生まれの移民、1833と刻印があるが、ニューヨークに工房を作ったのがこの年と言う。なんでもヨーロッパは未だにギルドなどが商工業を握っていてあまり自由にできなかったらしい、
マーチン一世、クリスチャン・フレディック・マーチン

C.F.Martinと創業1833年の刻印


自分がギターってのを知り始めたころ雑誌なんか乗っていたが高くてこんなのもあるんだなープロはこういうの使ってるんだー程度だった、田舎の楽器屋にはショーウインドーの奥に一本だけ大切に飾られていたりする、そこら辺のやつには弾かせねーよと言わんばかり、

しかしそのサウンドを知るのがかぐや姫かな、かぐや姫ライブ74、。僕の胸でおやすみ、加茂の流れに、星降る夜に置手紙、22才の別れなどなど、このライブでは正やんがたぶんだがD-28を弾いている、バックは石川鷹彦この頃はD-18かなー

ユーチューブの映像に多分この頃の神田川があった、これは貴重だ、アレンジがライブ74と同じなのでこの頃のだろう。こうせつはギブソンを弾いている。


ライブ74ではこうせつはギルドを弾いている、比べるとやっぱり音が違うんだ、そしてあの風の22才の別れとか海岸通り、イルカもD-35を使っている、イルカの世界のギターは石川鷹彦らしいがこちらも多分D-18あたりではないかなー、それに前に紹介したイルカライブこれではイルカのD-35のサウンドが聞ける。イルカのD-35のこだわりがあって3本持っているそうだ、殆どステージではD-35だなー


拓郎もD-35を弾いていた、アルバム人間なんてでは小室等がバックで弾いているらしいがこちらもマーチンらしい、もっともこのあたり拓郎の名器ギブソンJ-45も結構使っているみたいなのでいづれかはよくわからない、ただ花嫁になる君にはユーチューブでD-35弾いてたので多分マーチンだろう。あのスリーフィンガーは絶品だ、


海外でも多用にあるがドッグワトソンのデビューアルバムジャケットのD-18は実にかっこいい、音も素晴らしい、石川鷹彦がこのアルバムに憧れてD-18を買ったと言っていたのもうなずける。
ドッグワトソンファーストとD-18




マーチンというメーカーはアメリカではどうやらブルーグラスとかカントリーとかいわゆる白人音楽と共に育っていったようだ、より大きい音、よりはっきりした音が求められる、そしてトレッドノートが生まれる。型番でDがつく型番だ、

しかしマーチン社も80年代あたりは結構苦戦していたようだ、というのもバンド主体、エレキ主体の音楽が幅を占めてアコースティックギターが厳しい時代があった、

それを救ったのがエリッククラプトン、アンプラグドだ、このときクラプトンが弾いたのがマーチン000-42だ、これは後に000-28ECというシグネチャーモデルになり大ヒット、某有名楽器チェーン店にはほぼ各店に一本はあったりするからなー、いったいどんだけ作ってるんだ?

000-42EC

エリッククラプトンはなぜにマーチンを使うのか?インタビューには偉大なる先人がマーチンを使っていたからと答えていたが、クラプトンといえばブルース、ブルースのルーツって黒人音楽、ブルースのギターと言えばどちらかというとギブソンが多いんだが、と言うのもマーチンはアメリカでもやっぱり高くてとても黒人が手にできるものではなかったらしい、


ちなみにブルースで一番使われたというのがステラというメーカーのギターだ、これなんでも通販でやってたらしく安かったらしい、あとロバートジョンソンのギブソンL-1、ライトニンホプキンスもギブソンのJ-50かな、マーチンではエリザベスコットンはマーチンを左利きなので逆にして弾いてるの見たことある(改めて見たら弦もそのまんま逆だ)、ビッグビルブルーンジーのヘイヘイはマーチンかもしれない、
ロバートジョンソンとギブソンL-1





確かに全然いないわけではない、とりわけ000スタイルのが多いな、ブルースでは低音をミュートして弾くことが非常に多いのでトレッドノートの出すぎる低音は敬遠される、クラプトンが多分借り物だろうかDサイズのをステージで弾いてるのがあったがあまり様にならないし、音もちょっとブーミーな感じだ、

とにかくマーチン社はアンプラグドのヒットで体制をシグネチャーモデル、さらにはビンテージが人気になっているのを察知すると2000年に入ってからは例のGEシリーズマーキスシリーズ(オーセンティックもでたなー)などビンテージ仕様に力を入れる、今のCEOはマーチン四世だ、この人かなりやり手でとにかく2000年以降マーチンの生産本数がやたら伸びている。ビンテージシリーズやシグネチャーシリーズに力を入れ出したのもこの人からだろう。


マーチンと言う会社は手作業ではない、れっきとしたオートメーションになっている、だがその一工程一工程が凄いものがあるそうだ、マーチン社はアメリカのナザレスと言うところで作られているが、老舗と言うこともあり代々マーチンで働くというのがあるらしい、流れ作業とはいえ親から子へそして孫へと受け継がれているらしい、

マーチンギターを今まで何本か弾いてみたが思うのはその品質だ、ギターとしての最低限確保しなければいけないものを必ず持っているように思う、ちなみに楽器店に聞いてみたがギブソンは個体差が大きくていいものと駄目なものの差が大きいそうだ、(それにしてはギブソンのアコースティックは楽器店では非常に少ない、この田舎ではほとんど見ない)

老舗ということもありギターを作ろうと思ったものは必ずマーチンを手本とした、ちなみにアメリカで一番売れてるメーカーはテイラーなんだそうだ、このメーカーも品質に関しては凄いものがある、(テイラーを福山雅治が弾いてるのをステージで見たがやっぱ決まるものだなー、ちなみに朝のTVのインタビューで持ってきてたのは000だろうか、ビンテージマーチンだった、最近買ったと話していたが相当高そうだったなー)

しかしアコースティックギターに関しては今後非常に難しい問題が生じている、良質な木材が厳しくなっていることだ、

ハカランダ(ブラジリアンローズウッド)というサイドバックに使われていた木材、いまや伝説だ、1970年ワシントン条約で輸出が禁止になる、マーチン社も69年まではハカランダを使っていたが70年からインディアンローズウッドなどに変わる、

おかげで69年以前のハカランダを使ったマーチンギターは異常な高値だ、ハカランダってとっても硬い木なんだそうだ、木目が派手で一目でわかる、ちまたではいろいろ言われているがバック材ではキングオブ材木なんだろうな、当然ながら生で弾いたことはないので何とも言えない、弾いてみたいもんだが、ハカランダマーチンってどんなものなんだろう?
ハカランダバック&サイドのD-28 わいるどだぜぃー

1954年D-28


最近は良質なマホガニーも厳しくなりつつあると言う、マーチン社も2005年以降、ネック材をマホガニーという名称からセレクトハードウッドという名称に変わった、セレクトハードウッド?なにそれ?って感じだがなんなのだろう?さらにはヘッドも一部貼り合わせの3ピースに変わった、良質な木材の調達はかなり厳しくなっていると言うことだ、Doobie42も例外ではない、

今はアコースティックギターも個人ルシアーから新興メーカーからいっぱい出てきたし、日本でもあのヤマハなんぞごそーっと良い木を買っていくらしいし、かなり厳しい情勢らしい

遂にOM-18V、D-18GE、Doobie42と揃ったわけだが、いづれも2000年代以降、後はビンテージ??おーっとやばいやばい、

自分がマーチンどうしてもなんとかしたいと思ったきっかけは、前に書いたことがあるが、リサイクルショップで弾いたビンテージマーチン、それまで展示会とかそれなりに弾いてみてマーチンってこんなもんなんだなーと思っていた。

そこに傷だらけの00スタイルだろうか?古そうなマーチンがあった、ちょっと弾いてみたら、これこそなにこれ?今まで弾いたマーチンとは全然違う深み、甘く伸びやかでとろけそうなサウンド、三日考えて再度行ってみたら売れていた。ビンテージがなんであんなに高いのか意味が分かった、しかしこれが泥沼にはまる結果に…

なんでもギターの板、工場でもある程度寝かせて乾燥させて使われる。がそれが20年、30年と経つうちに徐々に水分が抜けていく、さらに木の繊維がなんでも結晶化するという話もあるが、この変化でさらに音が進化するのだそうだ、ビンテージはたいてい非常に軽くなっている。

戦うおやじの会というマーチンフリークのサイトがある、の運営者がギター雑感というのがある、これによると中年になってマーチンを手に入れるならビンテージがいいんじゃないかと言う持論、

ビンテージで一番いい音になった状態を弾けるのが一番いいんじゃないかと、新しいギターだとやっと鳴りだしたときは自分はもういない、他の人がいい思いをするよと、なるほどそういうのもありかなー

ビンテージと言えばD-35の70年代を一度弾いたことがあるが弦が錆びていて音は厳しかったが確かに新しいのとは違うなという片鱗はあった、あとD-18の70年代のを弾いたことがあるがこちらも弦が錆びていてよくわからなかった、ビンテージはやはり弾いてみてどうかなーと言うのが重要みたい

となるとこういう田舎ではなかなか、さらにはやっぱりビンテージは高い、こういう経験からして東京のビンテージショップには凄いのがいっぱいあるが弾いたら最後ちょーやばそう、やめといたほうが無難だなー
1968年D-45 価格400万円也ドヒャー?!

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Ibanez  AE325-LGS