2012年7月1日日曜日

篠山紀信展 写真力

これまたこの田舎では珍しい篠山紀信の写真展が美術館で行われると言う、しかも初日、本人が来館、講演会があると言うので行ってみた。

篠山紀信、このブログでも何度か登場している名前だ、言わずと知れた日本を代表する写真家だ、
会場はさすがに大盛況、立ち見も大勢で自分も立ち見となった。

美術館というところで写真展をするってのは初めてなんだそうだ。多分自身大衆とかの立ち位置にいたいという気持ちがあるんだろう、いわゆる芸術という枠にはまりたくないと言う想いがあるみたいだ

講演会はさすがにこなれたと言った感じでジョークも多くしかも今回133点が出品されていたと言うがそれをプロジェクトに映し出して撮影のシチュエーションもありのなかなか面白かった。

自分が篠山紀信を知ったのは前にも書いた通りアイドルを連載で綴っていたGOROという雑誌だ。ここであの宮崎美子の話も出てきた。宮崎美子、最初は週刊朝日という雑誌の表紙を飾ったのが最初だ、

当時新聞配達をしていてしかも朝日新聞だったので週刊朝日も配達があった、その時やはり鮮烈に残ったのが宮崎美子が表紙を飾ったときだった、はっきり覚えている。その後は例のミノルタのCMで大ブレイクとなったのは皆が知るところだ

あと有名どころでは宮沢えりのサンタフェという写真集、当時宮沢えりのお母さんがいつも付き添っていて、この若いときにヌードを撮りたいねーと冗談で話していたらお母さん、じゃ来週やりましょうかとさっさと話が決まってしまったと言う。

会場にはジョンレノンの最後のアルバムダブルファンタジーのジャケットを飾った写真がでかでと展示してある。このアルバムの写真、オノヨーコから依頼があってニューヨークで撮影したそうだ。数年前オノヨーコ自身を撮影したのをオノヨーコがとても気に入っていて同じ場所であのシーンを撮影したそうだ。奇しくもアルバム発売一か月後レノンは凶弾に倒れる、篠山紀信にとっても代表作になってしまったとのことだった。

最近ではAKBも良く写している。やっぱり惹かれるものがあるんだろう、本屋で立ち読みしてるとあまり見ないカメラ雑誌の表紙にふと目が留まることがある。だいたいこれが篠山紀信だったりすることは往々にある。

数年前東京の公園で撮影したのが公然わいせつ罪かなんかで略式起訴されたときもあの写真目に留まったなー

最後に質問コーナーがありこれがなかなか面白い、発想とかひらめきってどうやったら?という質問、回答はわからない、まあ才能でしょうな、なんて言ってたが、自身若い頃カメラで食っていこうとは考えていなかったそうだ、志望校に落ちて日大芸術学部に入ったがここではあまり大したこと教えてくれなくて一方で専門学校に行ったそうだ。

大手広告会社からカメラマンの求人で就職、だいたいこの世界は最初助手から始まるのが通例だが助手だったらやらないと言ったそうだ、それでも若い頃は紆余曲折あったと言っていた。

真似はするべきか否かという質問、若い頃は大いに真似するべきだと語っていた。真似したいと言うのはその写真に自分が何かを感じたからだから真似はどんどんやって自分のものにしなさいと言っていた。

仕事以外で写真を撮りたいと思うことはありますかとの質問、仕事以外ではとてもじゃないが撮る暇がないと言う、考えたこともないと言う回答だった、さらにはとにかく動いていたい、その為には裕福になったら駄目だなーと言っていた、いわゆるハングリー精神ってやつか

今までこれはという印象に残る写真ってありますかという質問、答えは無いというか全部というか、とにかく写すときは今前にいる事象(人)をいかに写したらいいのか、一番を引き出すにはどうしたらいいのかを考えているのでどれがということは言えないと言う回答だった。

こうして聞いているとやっぱ日本を代表するような人って才能もさることながらどん欲だ。ものすごいのを感じる、或る意味スポーツの勝つっていう意味ともつながることかもしれない、スポーツの場合は勝ち負けがはっきりするが、こういう世界は勝ち負けってのはその人の個性と言うか執着と言うかその強さのような気もする。

話題に上ったりした写真なんかだと自身でも皆にこれ評判良いんだ、いいだろいいだろとフレまくると言う。

今回の講演、なにか作りたいクリエイティブにと思う人は写真に限らずすごく啓発されたんじゃないかなー、とりわけ若い人は凄い刺激になったんじゃないかなーと思える講演だった。

さて写真展のほうだが、ブースが5つに分かれている。最初がもうなくなってしまった人のコーナー、次がいわゆるスター芸能人、次がスペクタクルと名付けられた歌舞伎やディズニーなど次がボディ、最後が東日本大震災の被災者を写したコーナーとなっている。

写真は大きいもので畳6畳くらいに大伸ばしされていて迫力満点だ、こうして見てみると大きさって印象が変わるもんだなー、とにかく本人の話から写真からなかなか充実の時間だった。







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